「たすきば Knowledge Relay」試験運用始めます — プロジェクトの知見を次につなぐ襷
個人開発 4 作目、始めます
「前任者がいなくなった瞬間、プロジェクトの空気が一気に重くなった」
そんな経験、ありませんか?
私は何度もありました。だからこそ、もう一度仕組みで殴り返してみたくなったんです。
ユメハシ、Defrago、HomePage に続き、個人開発 4 作目 となる新しいプロダクトの試験運用を始めました。名前は 「たすきば Knowledge Relay」。プロジェクトで得た知見を、次の担当者へ 襷(たすき)のようにつなぐ 業務管理プラットフォームです。
まだ完成形ではありませんが、現時点での骨組みと、込めた思いを、ここに残しておきます。
👉 プロダクトページ
なぜ作るのか
プロジェクトの現場に立つたび、私はこんな声を何度も聞いてきました。
「あのときこの知見があれば、見積もりはもっと精度高く立てられたのに」 「前任者が残してくれていたら、同じトラブルで半日溶かさずに済んだのに」
貴重な判断や学びは、たいてい 個人の頭の中・散在ドキュメント・離職と一緒に 静かに消えていきます。同じ失敗が繰り返される。組織知が育たない。何度経験しても、慣れない悔しさです。
この悔しさを、根性ではなく仕組みで減らしたい。それが たすきば の出発点でした。
名前の由来
サービス名の「たすきば(襷場)」は、駅伝で襷をつなぐ場所 から取りました。
プロジェクトという一区間を走り抜けた担当者が、 次の担当者へ知見の襷を確実に渡せる場所。
走るのはランナー(担当者)、襷を運ぶのはプラットフォーム。この役割分担が、サービスの核心です。
ランナーは走ることに集中していい。襷を落とさないように見張る役は、こちらが引き受けます。
他のプロジェクト管理ツールと何が違うのか
「Notion でいいのでは?」「Jira があれば足りるのでは?」
私自身、最初に自分に向けて投げた問いでした。
どれも素晴らしいツールです。それでも、私が現場でひっかかっていたのは 「ナレッジが中央に来ていない」 という一点でした。タスク管理は別タブ、知見管理はまた別のページ。橋がない。
たすきばは、ナレッジを真ん中に置きます。見積もり・タスク・リスク・振り返り、すべてがナレッジと双方向に紐づく設計です。
| 従来のツール | たすきば |
|---|---|
| タスク管理 + 知見管理は別モジュール | ナレッジを中核 に全機能が紐付く |
| 振り返りは議事録に埋もれる | 振り返り → 自動的にナレッジ昇格 |
| 見積もりは毎回ゼロから | 過去の実績ナレッジを 自動提案 |
| 担当者離脱で知見消失 | 構造化して 引き継ぎ可能な資産 に |
目指す世界観 — 運営するほど強くなる
たすきばで一番伝えたいメッセージは、たぶんこの一行に集約されます。
運営するほど、次のプロジェクトがうまくいく。
プロジェクトを 1 回終えるたびに、組織の知見が確実に積み上がる。新しい担当者が立ち上がったとき、過去の襷がきちんと渡っている状態。派手さはありません。でも、地味だけど本質的な仕組み を目指したい。私はそう思っています。
技術スタックとこだわり
ここからは、少し技術寄りの話です。気になる方だけどうぞ。
技術スタック
- フロントエンド: Next.js 16 (App Router) / React 19 / TypeScript
- UI: shadcn/ui / Tailwind CSS
- データベース: PostgreSQL 16(全文検索は pg_trgm で実装)
- 認証: NextAuth.js 5 + TOTP MFA
- デプロイ: Vercel + Supabase(無料枠で運用中)
こだわり
| こだわり | 内容 |
|---|---|
| セキュリティ | MFA 必須・RBAC・6 層スキャン・四半期 STRIDE |
| 品質 | ユニット 646 件 / カバレッジ 80% 強制 |
| AI 駆動開発 | 開発工程そのものが AI 支援前提で設計 |
| ドキュメント | 役割別 3 ディレクトリ / 30 分 onboarding |
目指しているのは「動くサービス」ではなく 「動き続けるサービス」。動かすだけなら一人でもできる。動かし続けるためには、未来の自分や次の誰かに優しい設計が必要だと感じています。
現状と今後
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026-04-15 | MVP 全フェーズ完了 |
| 2026-04-23 | リポジトリ整理完了・試験運用開始 |
| 2026-05-01 | プレリリース(紹介公開のみ) |
| 2026-06-01 | 正式リリース予定(3 環境対応) |
正式リリース後は、類似案件推薦やリスク予兆検知といった AI 機能への発展も視野に入れています。ただし、機能を増やすことより、最初のメッセージを裏切らないこと を優先したいと思っています。
個人開発 4 作目で見えてきたこと
並べてみて、自分でも少し驚いたことがあります。
ユメハシは「夢を目標に変える」、Defrago は「頭の断片化を解放する」、HomePage は「自分をプロダクト化する」、そしてたすきばは 「知見を次につなぐ」。
4 つを横一列に置いてみると、共通テーマが浮かび上がってきました。
「見えないものを形にする」。
夢、思考、自己像、知見。どれも頭の中や議事録の片隅に散らばっているものを、構造化して残せる場所に変えようとしている。これは、たぶん私自身の関心がそのまま出ているのだと思います。
現在は試験運用中
たすきばはまだ正式リリース前です。プロダクトページでは「開発中 — こうご期待」とグレーアウトで表示していますが、記事は読める ようになっています。
2026 年 6 月の正式リリースまで、もう少しお待ちください。「あの現場でこういう襷が落ちていた」みたいなエピソードがあれば、ぜひ聞かせてもらえると嬉しいです。次の設計の燃料にします。
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