月次報告の下書きはAIに、最終判断は自分に ― ミチナリが自動送信をしない理由

月末の業務報告や半期の評価シートを前に、「今期なにをしたか」を思い出せない。忙しい時期ほど記録を後回しにし、いざ書く段になって記憶をたぐり寄せることになりがちです。個人開発アプリミチナリの仕事機能は、この負担を減らすために作りました。

決まった入力欄を持たない、日々の記録

案件(プロジェクト)を1件登録し、その日の業務内容を書き留めます。決まった入力欄はなく、文章で書くだけです。フォーマットを固定すると、書くこと自体が面倒になり記録が途切れやすくなります。毎日の記録に対しては、AIが努力を言葉にして返します。これは評価というより、その日の取り組みを言語化する手助けという位置づけです。

溜まった記録から、報告の下書きを作る

記録が溜まると、月次報告の下書きを作れます。内容は、業務内容の要約・今月の目標・達成度の5段階評価・振り返り・来月の目標案・報告連絡事項という構成です。同じ仕組みで、半期評価の下書き(3〜8月/9〜翌2月の区切り)も作れます。書くことそのものより、白紙から思い出す作業のほうが負担が大きいと感じていたので、まず下書きという形にすることを優先しました。

たとえば「今週は仕様のすり合わせに時間を使い、思ったより実装に着手できなかった」という短い記録でも、そのまま溜めておけば、月末には「今月は要件調整に注力し、実装フェーズへの移行が想定より遅れた」という形の要約に組み上がります。ゼロから思い出して文章を組み立てる作業を減らし、流れをつかむための材料はすでに手元にある状態を作ることが、この機能の狙いです。

AIの判断を鵜呑みにしない設計

ここで一番気を使ったのが、生成された内容をそのまま使わせないという設計です。特に達成度の5段階評価は、AIの言葉のトーンだけで高くも低くも振れやすい項目です。だからこそ、生成後は必ずあなたが確認して直せる形にしています。提出フォームへの自動送信も行いません。内容を確認したうえで、自分の手で転記してもらう前提にしました。

この考え方は、以前「y」を押す前に実装が消えた話で書いた、AIに任せる部分と人間が最後に確認する部分の境界線を明確にするという設計思想と同じです。便利さのために、最終判断まで手放すべきではないと考えています。

誠実な自己評価のための下書き

報告書は、事実を都合よく盛ったり、逆に成果を過小に書いたりしやすい文書です。技術より先に信頼をつくるで書いたように、隠さず素直に共有することが信頼の土台になると思っています。AIが作る下書きはあくまで叩き台で、そこに自分の言葉で加筆・修正を加えることで、誠実さを保ったまま報告作業の負担だけを減らせると考えています。

おわりに

報告書や評価シートを書く作業自体は、なくなりません。でも、白紙から思い出す部分をAIに肩代わりしてもらえれば、人がやるべきことは「下書きを読んで、正しく直す」だけになります。ミチナリの仕事機能は、その最後の確認作業だけを人の手に残す設計にしました。

関連記事

お問い合わせ

ご質問やフィードバックなど、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら