「報われない努力はない」— 運をためるという考え方が、働き方を変えた

「報われない努力もある」と思っていた

頑張ったのに結果が出なかったとき、「あの努力は、結局なんだったんだろう」と感じたこと、ありませんか?

私はあります。何度も。

以前の私は、努力を縦軸で捉えていました。

自分 → 目標

目標を達成できれば「報われた努力」、達成できなければ「報われなかった努力」。このシンプルな判断基準で生きてきました。

資格試験に合格すれば努力が報われた。不合格なら報われなかった。昇格できれば努力が実った。できなければ無駄だった。

しかし、ある本を読んで、この前提が根本的に覆されました。


努力の軸が変わった

その本が提示していた努力の定義は、私のものとはまったく違いました。

私の定義(Before)本の定義(After)
努力の軸縦軸(自分 → 目標)横軸(自分 → 他人)
努力の基準目標達成に近づいているか他人のために自分の時間を使っているか
報われるか結果次第必ず報われる(蓄積される)

ここでいう「報われる」とは、目に見える成果が返ってくるという意味ではありません。他人のために使った時間は「運」として蓄積され、いつか巡り合わせとして返ってくるという考え方です。


運はポイントカードのように貯まる

本の中で印象的だった比喩があります。

運とは「良し悪し」ではなく「蓄積の有無」である。ポイントカードのように努力で貯めていくものだ。

周囲にいる「運のいい人」は、運が良いのではなく、貯まった運を使っている瞬間を目にしているだけだということです。

そして、貯まった運を引き出すきっかけは上機嫌でいること。起こることを楽しみ、前向きに受け止める姿勢が、チャンスとの巡り合わせを生む。


エンジニアの仕事に置き換えてみる

この考え方を知ってから、日々の仕事における「他人のために時間を使う行動」を意識するようになりました。

コードレビューに丁寧に時間をかける

レビューは自分のタスクを止めて他人のコードに向き合う行為です。「早く終わらせたい」と思う場面もありますが、丁寧なレビューコメントは相手の成長につながり、チーム全体のコード品質を底上げする投資です。

後輩が困っていたら手を止める

就業時間外に資格勉強や読書をしていると、ある日、後輩が「先輩が努力している姿を見て、自分も技術書を買って読み始めました」と言ってくれました。

直接教えたわけではありません。努力は静かに周囲に伝播し、ときに人の心を動かす。この経験は、横軸の努力が蓄積される実感を得た瞬間でした。

ドキュメントを書く

「自分さえ分かればいい」で済むコードに、あえて README や設計書を残す。未来の自分のためでもありますが、チームメンバーや後任者のために時間を使う行為でもあります。


プラス思考は「運の総量」を増やす

自分のためにならないことを全て断る人と、求められたら時間を使う人。どちらが長い目で見て良い巡り合わせに恵まれるか。

答えは明白で、他人のために時間を使う総量が多い人ほど、蓄積される運も多くなる。周囲から見ると、その人は「運のいい人」に映ります。

ただし、これは自己犠牲の推奨ではありません。自分の目標(縦軸)を持ちつつ、他人への貢献(横軸)も怠らない。両軸のバランスが大切だと、今は考えています。


私の中で変わったこと

この考え方に出会う前と後で、具体的に変わった行動があります。

BeforeAfter
自分の成果に直結しない依頼は断りがち「運を貯める機会」 として前向きに受ける
後輩の質問に最低限の回答背景や考え方まで含めて丁寧に伝える
勉強会やイベントに消極的上機嫌でいることが運の引き出しになると意識して参加

プロフィールの「夢」で掲げている 「夢を持ち、夢を語れるような社会の構築」 という目標も、突き詰めれば「他人のために自分の時間を使うこと」の延長線上にあります。

そして、座右の銘の 1.01 の法則。毎日 1% 成長する努力は、自分の成長(縦軸)だけでなく、周囲への貢献(横軸)にも当てはまると今は思っています。


さいごに

努力は必ず報われる——ただし、「報われる」の定義を変える必要がある

目標達成という一点でしか報われるかどうかを判断していた私にとって、「他人のために使った時間は運として蓄積される」という視点は、大きな転換点になりました。

結果が出なくても、人のために動いた時間は無駄にならない。その蓄積が、いつか予想もしなかった形で返ってくる。

もしあなたも今、「あの努力は無駄だったかもしれない」と感じている瞬間があるなら、少しだけ軸を横に倒してみてください。誰かのために使ったその時間は、ちゃんと積み上がっています。

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